diary/Kojima

・痛みの記憶

左下顎小臼歯に詰めていた金属製の詰めものが外れてしまったので,それを持っ てかかりつけの歯医者へ行ったところ,「これ,ウチでやったものじゃないで すね?」とのこと.

あれ,そうだっけ?と思ってたら「ずいぶん古くて内側も黒くなってきている ので,このままでは使えないから作り直します」とのこと.

有無を言わせず麻酔を打たれて,詰めものが外れた歯を削られだしたら,脳髄 に直結しているような痛みと共に,この歯を治療した時のことをありありと思 い出しました.

確かにこの歯は,昔,東京に住んでたころに近くの小さな歯医者で治療したも ので,その時も今回同様,脳髄にガンガンと響く痛みを感じたものです.痛み と共に,歯医者に行く途中にあったスーパーとか,歯医者の待合室の風景とか, 昔風の治療椅子とか,治療椅子の脇に置かれていたドリルやアルコールランプ とか,マスクをした先生の顔とかは走馬灯のように思い出したんだけど,その 歯医者の名前は出てこないんだよなぁ..

以前から,「忘却」というのは「記憶が無くなる」のではなく,「記憶を引き 出す手がかりがなくなる」だけで,記憶そのものは脳のどこかに生のまま保存 されていて,何らかのきっかけがあれば何十年前の記憶でも昨日のことのよう に引き出せるに違いないと思っていたのだけど,今回は「痛み」をきっかけに, まさにそういう現象が起きたような印象.歯医者の名前が出てこないというの は,脳の中でイメージを記憶する部分と言語的な記憶をする部分は違っていて, 今回は痛みをきっかけにイメージを記憶する部分が活性化されたような印象.

こういうのをうまく使えば「記憶術」というのも不可能でない気はするが, 「痛み」を手がかりに覚えるというのは思い出す時が大変だろうな(苦笑


・dvgrab

cinelerra-cvが動いたので,次のステップとしてIEEE1394(Firewire)経由でDV カム(miniDV を使うデジタルビデオカメラ)からの取り込みに挑戦.この用途に はdvgrabというコマンドが必要らしい.

ざっとGoogle等で調べてみると,LinuxでIEEE1394を使うには ohci1394,ieee1394,raw1394 といったモジュール類が必要になる模様.手元の IEEE1394端子を持っているマシンを調べるとochi1394,ieee1394は起動時に自動 的にロードされているようなので,とりあえずビデオカメラを接続して dmesg を見てみたら

ohci1394: fw-host0: SelfID received, but NodeID invalid (probably new bus reset occurred): 0800FFC0
ieee1394: Current remote IRM is not 1394a-2000 compliant, resetting...
Device driver 0000850000725dd8 lacks bus and class support for being resumed.
ieee1394: Node added: ID:BUS[0-00:1023]  GUID[0000850000725dd8]
ieee1394: Node changed: 0-00:1023 -> 0-01:1023
Device driver 0000850000725dd8-0 lacks bus and class support for being resumed.

などと言うメッセージが表示されているので認識されているらしい.

次に testlibraw コマンドを実行して libraw1394 スタックが動作しているか を確認しようとすると,

bash-3.2# testlibraw 
couldn't get handle: No such file or directory
This probably means that you don't have raw1394 support in the kernel or that
you haven't loaded the raw1394 module.

と叱られた.lsmod を見ると確かに raw1394 モジュールはロードされていない ので,手動で modprobe raw1394 を実行し,再度 dmesg を見ると

ieee1394: raw1394: /dev/raw1394 device initialized

となっているので,dbusが自動的に /dev/raw1394 を作ってくれたらしい.

この状態で,再度 testlibraw コマンドを実行すると

bash-3.2# testlibraw  -h
successfully got handle
current generation number: 1
1 card(s) found
  nodes on bus:  2, card name: ohci1394
using first card found: 2 nodes on bus, local ID is 1, IRM is 1

doing transactions with custom tag handler
trying to send read request to node 0... completed with value 0xf451a268
trying to send read request to node 1... completed with value 0xa357a268

using standard tag handler and synchronous calls
trying to read from node 0... completed with value 0xf361a268
trying to read from node 1... completed with value 0x2066a268

testing FCP monitoring on local node
got fcp command from node 1 of 8 bytes: 01 23 45 67 89 ab cd ef
got fcp response from node 1 of 8 bytes: 01 23 45 67 89 ab cd ef
testing config rom stuff
get_config_rom returned 0, romsize 64, rom_version 4
here are the first 10 quadlets:
0. quadlet: 0xc92d0404
1. quadlet: 0x34393331
2. quadlet: 0x32a264e0
3. quadlet: 0x00b51000
4. quadlet: 0xd1b20900
5. quadlet: 0x118b0300
6. quadlet: 0xb5100003
7. quadlet: 0x02000081
8. quadlet: 0xc083000c
9. quadlet: 0x2a2c0600
update_config_rom returned 0

polling for leftover messages

というメッセージが表示され,どうやらちゃんと動いているっぽい.

dvgrab は ./configure 一発でビルドでき,/dev/raw1394 を一般ユーザでも読 めるようにパーミッションを調整して README にあるようにビデオカメラを再 生しながらコマンドラインを実行してみると,

kojima@xeon[~/Video/Data/Tmp]% dvgrab --frames 200 myfilm-
send oops
send oops
Found AV/C device with GUID 0x0000850000725dd8
Warning: Cannot set RR-scheduler
Warning: Cannot disable swapping
Capture Started
"myfilm-001.avi":    24.11 MB   200 frames timecode 00:00:06.29 date 2006.10.24 13:48:44
"myfilm-002.avi":    24.11 MB   200 frames timecode 00:00:13.19 date 2006.10.24 13:48:51
"myfilm-003.avi":    11.09 MB 92 frames timecode 00:00:16.21 date 2006.10.24 13:48:54
Capture Stopped
kojima@xeon[~/Video/Data/Tmp]% ls -lh                     
合計 60M
-rw-r--r--  1 kojima users 25M 2007-11-09 08:18 myfilm-001.avi
-rw-r--r--  1 kojima users 25M 2007-11-09 08:18 myfilm-002.avi
-rw-r--r--  1 kojima users 12M 2007-11-09 08:18 myfilm-003.avi

みたいな感じで200フレームごとにキャプチャされた AVI ファイルが生成され, vlcで確認したところ問題なく再生されました.

cap01.jpg

簡単すぎてむしろ拍子抜けしたんだけど,Plamo-4.22 のデフォルトの環境な ら raw1394 モジュールをロードして(必要ならばパーミッションを調整し て)dvgrab を実行するだけでDVカムからのキャプチャはできるみたい.

ただ,これで取りこんだ動画は非圧縮のAVIだからバカでかく,上記25MBのファ イルでも約6秒程度でした.また,cinelerraではこのファイルを直接読み込め ませんでいしたが,

% ffmpeg -sameq -i myfilm-001.avi myfilm-001.mpeg
% file myfilm-001.*                              
myfilm-001.avi:  RIFF (little-endian) data, AVI, 720 x 480, ~30 fps, video:, audio: uncompressed PCM (stereo, 48000 Hz)
myfilm-001.mpeg: MPEG sequence, v1, system multiplex

のように ffmpeg でMPEG形式に変換すれば処理できるようになりました.ファ イルサイズも半分くらいになるのかな

% ls -l myfilm-00*
-rw-r--r--  1 kojima users 25291412 2007-11-09 08:18 myfilm-001.avi
-rw-r--r--  1 kojima users 11708416 2007-11-09 08:32 myfilm-001.mpeg

ということで,dbgrab を使ってのDVカムからのキャプチャ → cinelerra での 編集 という部分は実現できた模様.後は DVD オーサリングの部分と DV 以外 のソースからビデオキャプチャーする部分を何とかすれば Linux 上で処理が完 結できそう.



添付ファイル: filecap01.jpg 158件 [詳細]

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Last-modified: 2021-12-17 (金) 16:35:41